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Re島めし 対馬編 第1話

2017.03.22 (WED) 対馬 Re島めし

Re島めし とは

島の食材に、いつもと違う視点をかけ算してみたら、何が生まれるだろう?
島の食材・食文化を再発見し、「こんなふうに食べてみたらどう!?」をつくるプロジェクト。それが「Re島めし」。
島を旅し、こんなのどう!?をつくってくれるのは、
料理界のにぎやかアイディア一家、平野レミさんと義娘の和田明日香さん。
島のユニークな食材に、人との出会いというスパイスをふんだんにふりかけて。
さあ、どんなあたらしい料理が生まれるのか。

五島列島で数々の感動とユニークレシピをを生みだした
島めし旅は、いよいよ、国境の島「対馬」へ!

20代にして3児の母。6年前、料理がまったくできないまま平野家に嫁ぐ。 そこからコツコツ修行を重ね、現在は食育インストラクターとして活動中。 旬の素材を生かした、こどもと一緒に楽しめる料理を得意とし、離乳食のレシピ本の制作にも従事。 著書に、「嫁姑ごはん物語」、「和田明日香のコストコごはん」など。
オフィシャルブログ「主婦はつらいよ、たのしいよ。」
公式インスタグラム @askawada
料理愛好家(もともとはシャンソン歌手)。“シェフ料理”ではなく“シュフ料理”をモットーに、 テレビ、雑誌で数々のアイデア料理を発信。人間ドックで「5年間来なくていいです」と言われた健康体を武器に、 講演会やエッセイを通じて、明るく元気なライフスタイルを提案。また、特産物を使った料理で全国の村おこしにも参加。 著書は30冊以上に及ぶ。
オフィシャルサイト REMY

Re島めし旅、対馬編のはじまりです!

Re島めしプロジェクト第一弾で、五島列島に行ってからというもの、わたくし、「離島」「島」はたまた「地方」「ふるさと」なんてワードに、超敏感である。

敏感なばかりじゃない。なんと、「ふるさと名品オブザイヤー」というコンテストの、審査員のお仕事が舞い込んできたりして、日本のどこかに思いを馳せることが、格段に増えた。初めて聞く市町村の名前。初めて食べる名産品。じぶんの中の、「日本」という場所が、どんどん広がっていく感じ。きっかけは間違いなく、このRe島めしプロジェクトだった。

そして今回、待ちに待ったRe島めしプロジェクト第2弾として、対馬と壱岐に行ってきました!!!パンパカパ〜ン!!!

先に降り立ったのは、対馬。

福岡から小さな飛行機に乗って、ちょっとウトウトしたら、すぐ到着だった。この日はとっても暖かくて、まだまだコートが手放せない東京から、春のど真ん中まで、季節を飛び越えてきちゃったような気分だった。
 

対馬では、どんな食材と出合えるんだろう。対馬は日本より韓国との距離が近く、「国境の島」と呼ばれているらしい。韓国っぽい食材・食べ方なのかな…?

対馬にしかない「対州そば」って?

まず向かったのは、「対州そば」という、この島にしかない蕎麦を出しているお店。空港から車を走らせていると、最初に見えてくるお店がこの対州そばのお店だった。ところで、対州そば、普通の蕎麦と何か違うんだろうか。なんで対馬にしかないんだろう。

「対州そばは、普通の蕎麦の実より小粒で、味が強くて粘りがあるんです。縄文時代に大陸から伝わってきて、品種改良せず、原種のままを守ってきた種類。昔は対馬でも品種改良された蕎麦が主流だったんだけど、伝統を伝承していこうってことで、対州そばが見直されたんです。対馬でも、対州そばを出してるのは、3軒だけ。」

お話を伺ったのは、桐谷さん。そば作り歴13年のベテランだ。

「農業する男性チームが、畑で蕎麦の実を育てて、ここに持って来て。そしたら、わたしたち女性チームで、粒を磨いたり大きさを選別したり、脱穀も、粉にするのも、蕎麦を作るのも、全部ここで作業して。作ったそば粉は本土のほうにも売るけど、蕎麦の実は絶対に島から出しません。ここだけで、対馬だけで、ちゃんと守っていかんといけんもんだから。」

男子は畑で、女子は厨房で、それぞれ作業。縄文時代から変わらない味の対州そば、そんな男女の作業分担スタイルも、なんだか縄文的な感じで素敵。
食べ方にも、対馬ならではの食べ方があるそうだ。

「いり焼きそばって言ってね。地鶏でとった出汁に、キャベツとか、野菜を入れて、その汁に蕎麦も入れて食べます。おいしいよ、あとで食べてね。」

「私ね、対州そばの粉で、いろいろメニュー開発したいと思ってるんですよ。前のお店では、蕎麦かりんとう、って作ってみて、出したりしてたんだけど。今は、そば粉を使った餃子の皮なんてできないかなぁとか、ね。でも毎日忙しくて、なかなかそこまで手が回ってないの。だからぜひ、なんかやっていただけたら嬉しいな〜なんて(笑)」

思わぬパスが回ってきた!!というか、お話を聞けば聞く程、対州そば、食べたくなってくるんですけど…。

「味が強い」って、こういうことなんだ!

「じゃあ、蕎麦作るところ、見せましょうか?」

というわけで、厨房にお邪魔して、蕎麦作りの見学をさせていただくことに!ここのお店で蕎麦を打てるのは、桐谷さん含め2名。資格がいるわけではないけれど、どうしても向き不向きがあって、誰にでもできるわけではないそうだ。

「昔なんか、どこの家でもばあちゃんたちが作ってるもんだったのにね。蕎麦打ちって重労働なんです。だから若い子は途中で諦めちゃう。おばちゃんのほうが、要領がいいから、意外とできるんですよ(笑)」

「こどもたちが見学に来ると、そば粉にお湯を入れた瞬間「アーモンドのにおいがする〜」なんて言うの。わたしたちはもう、蕎麦だと思ってるから、蕎麦のにおいとしか思わないんだけど、こどもってすごいよね…。」

重労働って言ってたのが、ウソみたい!おしゃべりしながらも、するすると粉をひとつにまとめあげ、流れるような手際で広げていく。蕎麦も、道具たちも、みんな、桐谷さんに扱われるのが気持ちよくてしょうがない、みたいな感じに見えてくる。わたしも見ていてほんとうに気持ちがよかった。

そば切り、少しだけやらせてもらった。桐谷さんが切ったあとの蕎麦は、イカそうめんみたいにお行儀よく並んでるんだけど、わたしが切ったあとは変に乱れて、麺の質さえ違うように見える。千切りには自信があったのに…まだまだ修行が足りませぬ…

そうして目の前で作っていただいた蕎麦を、その場ですぐ茹でて、いただくことができた。なんて贅沢なんだ〜!!!

普通の蕎麦に比べて、食感がしっかりしていた。しっかり噛むことで、蕎麦の風味もより感じる。味が強い、っていうのは、こういうことなのか!!対馬ならではの“いり焼きそば”、なんといってもお出汁の滋味深い味にうっとりだった。

今でも対馬の一部では、冠婚葬祭のときにも、対州そばを食べる風習があるらしい。そういう、地元の人たちに何かと食べられている存在ならではの、ホッとする味。これこれ、東京で、レミさんとどんなに頑張っても敵わなかった、島の味!

冷たく、あったかく、お出汁で、そばがきで…いろんな食べ方で対州そばを味わって、大満足。次来たら、桐谷さんが発明した“蕎麦餃子”なんてのが並んでるかも!?伝統を守りつつ、進化ももくろむこの島のお蕎麦の未来は、可能性にあふれていた。

対馬にしかない景色と空気の中で。

次の場所に向かってドライブしていると、「ここは是非降りて、景色見ながら歩きませんか?」と、観光商工課の方たちがエスコートしてくれた。

かつて、大陸からたくさん船がやってきて通ったかもしれない海の道を眺めながら、橋を渡る。

展望台にのぼると、なんとも透明度の高い入り江に、ぽこぽこと山が浮いているのが見渡せた。空から山、山から海、青と緑のグラデーションは、いつまで眺めてても飽きない。スーーーハーーーーー。空気も透明。一気に心が解放!

ついでに、和多都美神社にも立ち寄った。時間によって、海の水位が変わり、景色がガラリと変わるそうだ。わたしが行ったときは、海の真ん中に鳥居が見えた。なんの説明を聞かなくても、海の神さまが祀られてるんだろうなってわかる。

前回行った五島列島には、教会がたくさんあった。海と教会の風景はほんとうに震えるほど素敵で、こころがすっと静まる感じがして、これが畏れの気持ちかぁと、漠然と思ったものだけど、ここで見た海と神社の景色もまた、自然と背筋が伸びるようで、とても気がせいせいとした。いろんな神さまがいて、いろんな信仰のかたちがあるけれど、こういう場所にくると、形式とかお作法とかは置いといて、心の中から自然と祈りが湧いてくるようだから不思議。

韓国から観光に来ているらしい女の子2人組が、熱心に案内の看板を読んでいた。そうかぁ、ここは韓国からも近いんだった。この島にはきっと、他のどこにもない文化や歴史がたくさんあるはず。わたしの使命である食べものとの出合いを通じて、いっぱい勉強して帰ろうと思った旅のはじまりだった。

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